こんにちは、ぽれんたです。
国際結婚をしてパートナーの国で生活を始めると、現地の言葉が話せなかったり、文化の違いに戸惑ったりすることは、多くの人が経験する壁です。
私も、語学力がなくてもなんとかなるだろうと考えて移住しましたが、現実はそう甘くはありませんでした。自分だけが取り残されたような孤独感や、失敗を恐れるあまり前に進めない気持ちに何度も悩まされました。
この記事では、語学力がないまま移住して失敗した私が、どのようにその状況を乗り越え、少しずつ前に進んでいったかをお伝えします。私と同じように、言葉や文化の壁に苦しんでいる方が、少しでも前向きに生きるためのヒントを見つけられたら嬉しいです。
語学の壁は想像以上に高かった
海外移住前、「現地に住めばどうにかなる」と考える方も多いかもしれませんが、語学の壁は想像以上に高いのが現実です。私も移住当初は、「なんとかなるだろう」と楽観的に考えていましたが、すぐにその考えが甘かったことに気づかされました。
まず最初に痛感したのは、インプットの重要性です。もし移住前に可能であれば、最低限の単語や文法など、現地の言葉を学び、基礎的な理解をしておくことが非常に大切です。インプットがなければ、アウトプット(話す)ことは不可能だからです。
例えば、日本に住んでいる外国人が一生懸命日本語を勉強していると、自然と親近感が湧きませんか?逆に全く努力をせず、母国語のみ話そうとする人には距離を感じてしまうかもしれません。
それはどの国でも同じです。現地の言葉を学び、その文化に寄り添う姿勢が必要だと感じます。 私自身、最初の努力が本当に薄かったと反省しています。
「誰も私に話しかけてくれない」と感じていましたが、よく考えれば、私がイタリア語を理解できていない状態で話しかけられても、会話が成り立たないのは当然です。
相手が話しかけてこないのは、周りのせいではなく、自分の準備不足や努力の欠如に原因があったのです。
言葉が通じないと逃してしまうチャンス
言葉の壁と同時に、友達作りに悩む方も多いのではないでしょうか。特に、私のような40代主婦にとっては、環境的に自分から積極的に声をかけない限り、友達は簡単にできるものではありません。
学生さんであれば、学校などでやルームシェアなどでの交流を通じて友達を作りやすい環境にあるかもしれませんが、それでもネイティブの会話のスピードについていけず、大きなハードルとなることもあると思います。
私の場合、せっかく話かけてくれる人がいても、うまく話せないどころか理解ができていなかったので、せっかくのチャンスを逃していました。近所の方々も最初は気にかけて話しかけてくれていましたが、会話に花を咲かせることができず、段々と挨拶だけで終わる関係になってしまいました。
これが毎日続くと、次第に消極的になることで人を避け、孤独を感じるようになってきました。最終的に行きつくところは、唯一知り合った日本人の方だけ。彼女を話すことで安心感は得られるものの、現地の友達を作ることができていない自分に嫌気がさし、精神的に辛くなっていきました。
もともと日本にいたときから、私はそこまで積極的に友達付き合いをする方ではありませんでした。それが、言葉もままならない異国の地で、さらに消極的になってしまっては、当然のごとく友達はできるわけがないのです。
結局、自分が蒔いた種でした。本当に友達が欲しい、もっと現地の人と交流を持ちたいと思うのなら、少しでも話す努力をしなければなりません。孤独を感じてくよくよするくらいなら、一つでも多くの単語やフレーズを覚えて、コミュニケーションのチャンスを逃さないようにすることが大切だと気づきました。
これは、日本でも同じことだと思います。気の合う友達をすぐに見つけるのは簡単ではないですし、もし親友がいるなら、それは奇跡的な巡り合いです。
たとえ言葉が十分にわからなくても、向き合ってくれる人がいれば、それはとてもラッキーなこと。逆に、離れていく人がいるのも普通のことです。
そうした状況に過度に孤独を感じるより、「勉強の時間を与えてくれた」と前向きに捉えることが大切だと思います。毎日、たとえ1時間でも語学に向き合う時間を作ることで、自分の世界は確実に変わります。私もそのように気持ちを切り替え、孤独な時間を勉強の時間に変えました。
頑張っても成果が見えないときは休む
前向きに努力して、語学を学んだり、自分を変えるために行動したりしても、どうしても続かないときがあります。勉強しているのに、聞き取れない。いざ会話しようとすると言葉に詰まり、スムーズに話せない。自分の努力が報われないように感じ、無駄なことをしているのではないかと苛立ちが募り、自信を失う。この繰り返しで、いつしか負のスパイラルに陥ってしまうこともあります。
そんな時、私は一旦立ち止まってリフレッシュすることが大事だと気づきました。無理をしすぎず、安心できることや自分の大好きなことをする時間を作ることが大切です。
また、目標を高く設定しすぎると、それが自分を追い詰め、焦りだけが残ってしまいます。
頑張ることは素晴らしいですが、無理をして本来の目的を見失ってしまっては意味がありません。
時には日本人の友達と楽しくおしゃべりをしたり、一時的に日本に帰国してリフレッシュしたりすることも、決して悪いことではないと思います。そうした時間を通じて、また自分の本来の目的が見えてくることがあります。
皆さんの本来の海外での滞在目的は何でしょうか。海外に友達を作るために来られましたか?
もしそうなら、究極的には日本でも日本語を話せる外国人と知り合う機会はたくさんありますよね。
おそらく、私のように国際結婚してるなら、生活を共にするためですよね。他には勉強のためや仕事の場合など、それぞれに異なる目的や目標があって海外に滞在されているはずです。
だからこそ、友達ができたらラッキーくらいに気楽に考えてみてください。
友達ができないと不安に感じるのは、友達作りを目的にしてしまっているからかもしれません。そうすると、1人でいる自分が哀れに思えたり、孤独を強く感じたりしてしまいます。
でも、本来の目的を忘れずに進んでいけば、結果として友達ができることもあります。それに、焦らずに自分のペースで進んでいくことが大切だと思います。
小さな行動の積み重ねで効果を実感する
大きな目標を持つことは重要ですが、時にはその目標が重荷になることもあります。
私自身、挫折を経験し、以下のような小さなステップを意識することで少しずつ成長を実感できるようになりました。
私が実践して効果を感じた方法をいくつか紹介します。
1.環境を変えることでリセットする
生活が思うようにいかないと、勉強に集中する余裕もなくなってしまうことがあります。私も、イタリア生活に悩み、語学学習が思うように進まない時期がありました。
悩み過ぎて何も手につかなくなる前に、思い切ってその場を離れることが時には有効です。私の場合は一度日本に帰国し、安心できる場所で過ごすことで気持ちに余裕が生まれ、再びイタリア語の学習に向き合えるようになりました。
ときには距離を置くことが、問題を解決するための新たな視点やエネルギーを得る鍵になります。
2.簡単なことから始め、環境を活かす
日本に一時帰国した際、言語に対する不安やプレッシャーがない環境にいるので、この状況をうまく利用して、子供のように簡単なことから始めようと考えました。子供が日常生活の中で少しづつ言葉を覚えていくように、私も同じように身の回りの物を使って自然に学んでいくことにしました。
例えば、料理が好きなので、野菜や果物といった身近なものをイタリア語で覚えることからスタート。難しいことに挑戦するのではなく、無理なく、楽しみながら語彙を増やしていくという感覚です。
特に私が気に入っている方法は、家具、家電、食べ物などに、イタリア語の名前を書いた付箋を貼るというやり方です。家の中のあらゆる物に付箋を貼って、いつでも目に入り、必要な時にはカンニングをしながら単語を覚えていきます。
身近なものなので、教科書を見て覚えるよりも、日常生活の中で繰り返し触れることで自然と覚えられます。そして、覚えた単語は付箋を外していくのです。最初は家の中が付箋だらけですが、だんだんと減っていきます。
それが、自分がどれだけ単語を覚えたかを視覚的に確認でき、自分の成長を実感できる瞬間は達成感があります。もし家で過ごす時間が長いのであれば、この方法は特に有効です。
日常的に触れる身近なものから学ぶことで、無理なく語彙を増やしていけるため、ぜひ試してみてください。
3.語学に堪能な人の力を借りる
語学学習を進めるうえで、定期的に他者の力を借りることは非常に効果的です。私は週に1回、オンラインレッスンを受けて、日々の学習を振り返る機会を作りました。
この時間は、学んだことがしっかり定着しているか確認できるだけでなく、日常の中で生じた疑問点や迷いを整理することができる場にもなりました。
1人で学んでいると、どうしても行き詰まることがあります。その時に先生に相談できる場があると、悩んで立ち止まることなく次に進むことができます。
特に、理解が曖昧な部分や気になる点を気軽に質問できることで、学びを効率的に進められたのが大きなメリットです。実際私も、先生と練習を重ねることで自信がついてきて、次第に自分でも実際に外で実践してみたいという気持ちが芽生えました。
4.学んだことを実際の場で試してみる
スーパーマーケットやレストラン、外で他の人と会話する必要がある場面では、つい夫に頼ったり、イタリア語ができる日本人にお願いしてしまうことが多く、自分で話すことを避けていました。
まだ話せないという不安も大きかったのです。しかし、日々少しずつ勉強を重ねたことで、自然と自信がついてきて、少しずつ自分でも話してみたいと思うようになりました。
そこで、最初から大きな目標を立てるのではなく、まずは「自分で注文する」など、具体的で小さな目標を設定し、それを一つずつクリアしていこうと考えました。小さな目標であれば、短時間で終わるので気軽に挑戦できますし、1つずつ達成できると自信も確実に積みあがっていきます。
実際に、バールでコーヒーとクロワッサンを注文し、お会計までの一連の流れを自分だけでやり遂げたとき、思いのほか大きな達成感がありました。短い会話ではありましたが、通じたことに喜びを感じ、次の挑戦への意欲もさらに湧いてきました。こうした小さな成功体験を積み重ねるうちに、日常での実践に対する恐れも和らいでいったのです。
重要なのは自己肯定感を高めること
日本では、周囲の評価を気にして行動することが多く、語学学習や新しい生活でも完璧を求めすぎることがよくあります。自分が他人より劣っていると感じたり、周りに気を使い過ぎてしまうこともしばしばです。
しかし、イタリアでの生活して感じたのは、イタリア人の自己肯定感の高さです。例えば、あるイタリア人が「日本語が話せる」と自信満々に言ってきましたが、実際には「こんにちは」と「ありがとう」しか言えませんでした。
それでも彼らはそれを恥ずかしがることなく、堂々としているのです。これを見て、イタリア人は完璧でなくても、自分ができることに満足し、自分を信じて行動することの大切さを知っているのだと考えているのだと感じました。私自身移住当初、イタリア語が話せないことで劣等感を抱き、夫の友人たちと会う時にも、相手に迷惑をかけているのではないかと心配しすぎて、楽しめないことがよくありました。
しかし、次第に大切なのは完璧に話すことではなく、間違いを恐れずに自分の気持ちを伝える姿勢を見せることだと気づきました。イタリア人のように、どうやってその場を自分が楽しむかを考えることが重要だったのです。そう考えるようになると、たとえ言葉に詰まっても、相手もこちらの気持ちを理解しようと聞いてくれる姿勢を持つようになりました。プレッシャーも減り、自然とコミュニケーションが取れるようになったのです。海外生活で最も大切なのは、自分を信じ、焦らず、自分を肯定する力を持つことです。
完璧さを求めるのではなく、間違いを受け入れ、自分の気持ちを正直に表現する姿勢が、異文化の中で成長し続ける鍵だと感じました。
自分を肯定する力があれば、どんな環境でも前向きに、そして自分らしく過ごせるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。私は移住して4年目ですが、まだ不安なことだらけです。
それでも、少しずつ前向きに生活できるようになってきました。きっと、移住したばかりの頃は誰でも不安や孤独を感じるものだと思います。
そんな時は、自己肯定感を大切に持ち続けることを忘れないでください。頑張っているあなたは素晴らしいのですから。
最後まで読んでいただきありがとうございました。