こんにちは、ぽれんたです!私は結婚して5年、イタリアに移住して1年、主婦歴2年のどれもが新米の、発展途上にあるカップルです。これから国際結婚を考えている方向けに、今回は私達夫婦がどんな文化や習慣の違いで衝突し、喧嘩をするのか、またどのように解決させているのかをシェアしていこうと思います。
イタリアでは結婚せずにパートナーのままでいるカップルが多く、日本のように簡単に離婚が成立せず手続きがとても複雑です。そして子供がいる場合も要注意で、離婚が成立しても子供と一緒に日本に帰ることができないこともあるとか。
そんなイタリアで結婚生活を送っている私たち夫婦は、離婚という選択をしないためにも、良好な関係を続けていくために頻繁に話し合いがなされています。正確にいうと私が半ば強引に話し合いをさせているような、常に私がしゃべっているような感じになりますが…。
とにかく私達夫婦は離婚しないで済むように、嫌がっても喧嘩になっても、最終的にお互い歩み寄るため妥協点を探り、今後のルールを決めるようになったのです。
私はイタリア語がまだ話せません。夫は私と同様日本語が話せません。コミュニケーションは英語です。お互いに母国語ではないので些細な意味の解釈の違いが生じ、わかったと思っていたことが違ったり、使い方を間違えて本当に伝えたい意味と違うこと言ってしまって喧嘩になったりします。
日本語だと思ったことは正確に何でも伝えることはできますが、多分相手をとことん傷つけることもできてしまいます。どちらがいいのかわかりませんが、喧嘩中でさえも言葉を理解するために意味を調べたり、適切な文章は何かを検索したりします。
これがまあ面倒くさいし嫌になるし本当に怒り狂ってるときなんかもう、イタリア人もイタリア国も何もかも嫌いになってしまいます。一刻も早くこの国から出て日本に帰ってやる!!!移住してたった1年足らずで何度こう思ったことでしょうか。
言葉の壁に私がどう対処しているかといいますと、自分の伝えたいことを文章にして相手に伝える、ことです。そしてその文章にして伝えたことは必ずメモで残しておくようにしています。そうすれば何が原因で喧嘩しているのか見えてきやすくなるからです。
言葉の解釈や使い方を間違っているだけならもう一度調べ直すことができますし、説明し直すことができます。そうすることでだいぶ大きな喧嘩が減るようになってきました。
次によく喧嘩の原因になるのが、イタリア人は謝罪の習慣がないということです。日本人にとって利点でもあり欠点でもある部分ですが、悪いと思ったらすぐに謝りませんか?私が一番夫に腹が立つ部分です。本当に謝らない、何が何でも謝らないし自分の被を認めない!!!
例えば自分の不注意で物を壊してしまったら、どんな物であれどんな理由であれまずはごめん!て謝りますよね。だって相手が所有しているものを壊した方が悪いのですから。でも夫のすごいところ(嫌味です)はまず言い訳からはいること!そして私が少しでもイラッとして文句を言おうものなら、「人間だからミスするし、必要ならまた買えばいい」と言うのです。
いや待て、まずは謝るのが筋でしょう!と投げかけると、「私はわざとあなたを悲しませるために割ったつもりはない。私は日本人のように何でもかんでも謝る習慣はないし、悪気がないのだから謝る気はない」と言われる始末。
今でこそ本当に悪いと思ったことはちゃんと謝ってくれますし日本人の習慣も取り入れようとしてくれますが、最初はイタリア人の利己的というか自己中というか、自分のことしか考えない行動や言動に本当に理解できませんでした。
他にこんな経験もあります。日本に住んでいた時、実家に帰省していた日のある朝、私の弟が私達にサプライズで朝マックを買ってきました。イタリアが甘い朝食文化なのは知っていましたが、食べられないとは思わずベーシックなセットを買ってきたのです。そしたなんと、夫は嫌そうな顔をして…
「私は朝から塩気の朝食は食べられないって言ってるのになんで買ってくるの?」
私はもうポカーンです。なんでそんなことしか言えないの!って。イタリア人だからという問題ではなく、そもそも性格に問題があるのではないかとさえ思いました。まずは自分の為に買ってきてくれたことに、自分を喜ばそうとしてくれている厚意に感謝しませんか!?私はそうするんですが、これって価値観の押しつけでしょうか…。
あれから月日が流れ、イタリアに来てからやっと、これが文化や習慣の違いによるすれ違いだと確信しました。イタリア人の考え方は、自分がしたいからする・自分はしたくないからしない、相手が主張や提案してきたことや望んでいることはする・そうでないものはしない、といった個人の選択や主張がとても重んじられるようです。
日本は個よりも和を重んじる文化ですよね。ここで私と夫の価値観の違いが明確になったのです。日本人の考え方だと、自分たちだけ朝マックを食べるのが悪いなとか、代わりのものを買ってあげようとか、そんな風に考える人が多くいると思います。でもこれってイタリア人からすると余計な」お世話みたいです。
ですから私はその考えを元に夫に対して行動するのはやめました。「私が食べたいから買うけどあなたはどうする?」と聞くようになりました。そうすればいるかいらないか明確ですし、嫌な思いもしなくて済むようになったからです。
他にも喧嘩はたくさんしますがなぜ衝突するのかの根本を考えたときに、個人を尊重する文化と和を重んじる文化の考え方の違いが大きな要因だと行きつきました。根本が違うので交わる部分がないこともあります。それなのに主張し合っても永遠に平行線のままですし問題が余計によじれて悪化したりします。
私の場合は日本で生まれ育っているので、協調性を持つことも思い遣りの精神を持つことも当たり前だと思って生きてきました。つまり周りも自然とそうやって生活している人がいること自体が当り前です。ですので夫にもその私の当り前を勝手に求めてしまっていました。
逆に夫側は個人を大事にするのが当り前ですから、周りがどうこうよりまずは自分のことを発信していくのが当たり前です。好き・嫌い、遊びたい・遊びたくない、食べたい・食べたくない、はっきりと自分の意見を相手に伝えます。もしそれを私が何も発言しなければ逆に、同意したとみなされるくらいです。
だから私は夫の行動や言動が理解できなかったし、謝らないしお礼も言わないと腹を立てていたのだたと思います。反対に夫は自分が主張したことが尊重されず無視されていると思っていたし、たとえ気分が乗らなくても相手に合わせてしまう私の行動によって余計に誤解を招き、混乱させていたようです。それぞれが違う観点で違和感を感じていたのです。
ではどうやって妥協点を見出すに至ったかというと、3つあります。
まず1つ目はイタリアの習慣や考え方、日本の習慣や考え方をそれぞれが列挙していきます。そしてその列挙したものに対してイエスなのかノーなのかを選択していきます。例えば、ありがとうと言われると嬉しい?嬉しくない?みたいなことです。その時に喧嘩になったことを一つ一つ確認して答え合わせしていくイメージです。
2つ目は、イエスかノーか決めたことを子供にも教えられることなのかを掘り下げていきます。ありがとうと言う必要はないと夫婦間で決めた場合、子供にもこれからそう教えていくのか、本当にそれでいいのかを話し合います。そうすれば、やっぱりありがとうって言える子に育てたいね、など自分たちの気持ちに気づくことができます。
しかしそういいながもやっぱり譲れない部分があったりするので、最後に決着がつかなかった問題を3つめとして、グレーにして保留にするようにしています。我が家で言うと、夫は子供は小さい時から子供部屋が必要だと考えています。「イタリアではプライバシーをとても尊重する国。だから4歳頃には自分の部屋で一人で寝るのが普通だ」。これが夫の主張です。
もちろん日本人にだってプライバシーは必要ですよね!でも本当に4歳から子供部屋で一人で寝かせる必要があるのでしょうか?私はその頃の記憶は無いに等しいし、どちらかというとママと離れるのが嫌だと泣くお年頃ではないでしょうか。それに子供がもし夜中に起きてしまったらわざわざ部屋移動をしなくてはなりません。それに親と一緒に寝てくれるのも今のうちだけなのだから一緒に寝たらいいのでは?そう思ってしまいます。
違う文化で育ってきたがゆえに起こる意見の相違なのでどちらが正しいのか答えはでません。そのような場合に、この問題はグレーにするかどうかの取り決めをします。そしていつ次に話し合うか日程を決め、その際にさらにお互いが自分の主張の利点や欠点をプレゼンし合う約束をします。
そして話合って問題を見つめ直した時に、時間が経っている分考えに変化が起こったり、また新たな課題がみつかるのでしっかり問題に向き合うことができます。また答えが出せなかった場合は第二回ディスカッションと称して答えを出すのを保留にしています。そうすれば以外に喧嘩にならず、冷静に焦らずに問題を考えることができるようになりました。
以上が私夫婦の現在進行形で取り組んでいる関係構築の方法です。これから国際結婚(国際間だろうが関係なく)を考えている方のお役に少しでも立てれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。