イタリア人が集まるレストランでの過ごし方:入店から退店までの流れ

こんにちは、ぽれんたです。

イタリア旅行して現地の食事を楽しむなら、基本的なテーブルマナーを覚えておくと、より深く食文化を味わうことができます。

私もイタリア人夫の家族と何度かレストランで食事をする機会があり、その中で学んだことや感じたことをこの記事で共有したいと思います。

1.入店時のマナー

イタリアのレストランに入る際、最初に気をつけたいのは、入店時の基本的なマナーです。

観光客向けのレストランでは比較的自由な雰囲気がありますが、地元の人々が集うレストランでは、少し丁寧な振る舞いが求められます。

①予約の確認

まず、イタリアでは予約は非常に重要です。特に夕食時や週末、人気のレストランでは予約なしでは入店が難しいことが多いため、事前に予約を入れるのが一般的です。

入店前にレストランに空席があるか確認する必要があります。予約がある場合は、入り口で予約している旨をスタッフに伝えましょう。

予約の有無を確認する際

・Buonasera, ho una prenotazione a nome di [Polenta].

(ボナセーラ、オ ウナ プレノタツィオネ ア ノメ ディ [ポレンタ])

「こんばんは、[ぽれんた]の名前で予約しています。」

・Abbiamo una prenotazione per due persone.

(アッビアーモ ウナ プレノタツィオネ ペル ドゥエ ペルソネ)

「二人で予約しています。」

予約がない場合

・Non abbiamo una prenotazione, c’è un tavolo libero?

(ノン アッビアーモ ウナ プレノタツィオネ、チェ ウン タヴォラ リベロ?)

「予約していませんが、空いている席はありますか?」

・C’è un tavolo disponibile per quattro?

(チェ ウン タヴォロ ディスポニビレ ペル クアットロ?)

「4人用の空いている席はありますか?」

②入店と挨拶

イタリアの文化では、挨拶が非常に重要視されています。レストランに入るとき、スタッフやホストに挨拶するのが基本です。

イタリアではお客様と店側は対等な関係であり、挨拶を交わすことによって、お互いに気持ちよくサービスを提供したり受けたりする姿勢が大切です。

無言でいると、店側が何も対応してくれないことあるので、入店時には自分から挨拶を心がけてください。 挨拶にはいくつかの選択肢があります。状況に応じて使い分けることが大切です。

挨拶

・Buongiorno(ボンジョルノ):朝から午後まで使える、一般的な挨拶です。

・Buonasera(ボナセーラ):夕方以降、特にフォーマルな場面で使います。

・Salve(サルヴェ):時間帯を問わず使える丁寧な挨拶で、ビジネスシーンや初対面の人にも適しています。

・Ciao(チャオ):友人や親しい人同士の間で使うカジュアルな挨拶です。カジュアルなレストランや親しみやすい雰囲気の場面では、「Ciao」と言われた場合は「Ciao」と返すのが自然です。状況や相手によって、最初の挨拶として使うかどうかを判断すると良いでしょう。

③席への案内

レストランに入店し、挨拶を交わした後は、スタッフが席に案内してくれます。イタリアのレストランでは、自分から勝手に席を選んだり座ったりすることは避け、必ずスタッフの指示に従うようにしましょう。

案内された席が気に入らない場合には、別の場所に座って良いか尋ねることができます。ただし、無理に変更を求めるのは避けた方が良いでしょう。

コートやジャケットは、ジャケットは椅子の背もたれにかけるか、場所によってはスタッフに預けることも可能です。

バッグについても、テーブルの上にバッグを置くのは避け、椅子の背もたれや足元に置くのが一般的です。テーブルの上にバッグを置くのは、マナー違反と見なされることが多いので注意が必要です。

席を移動したいとき

・Posso sedermi altrove?

(ポッソ セデルミ アルトロヴェ?)

「あちらに座ってもいいですか?

・È possibile cambiare tavolo?

(ェ ポッシービレ カンビアーレ タヴォラ?)

「テーブルを変えることはできますか?」

2.席に案内された後のマナー

イタリアでは、レストランでの食事は特別な時間と考えられています。

日本では、外食は家事の負担を減らすためや、自分へのご褒美としてカジュアルに楽しむこともありますが、イタリアでは家族や友人と大切な時間を共有するために、特別な機会にレストランを訪れることが多いです。

席に案内された後、スタッフがメニューを持ってきてくれます。リラックスして待ちながら、ナプキンを膝の上に広げ、食事の準備を整えます。これが、食事を始める準備ができていることを示すサインになります。

メニューが届いたら、メニューをじっくり読むことが大切です。イタリアでは、メニューをしっかりと理解しようとする姿勢が好まれます。

もしメニューについて質問がある場合やわからない点があれば、スタッフに気軽に尋ねましょう。質問することは失礼ではなく、むしろスタッフとの良好なコミュニケーションを築くための一環です。

また、ランチタイムに訪れるレストランでは、「日替わりのセットメニュー(Menu Fisso)」が提供されることもあります。この場合、コース内容があらかじめ決められており、自分で料理を選ぶことはできません。

3.メニューの選び方とオーダーの仕方

①飲み物のオーダー

通常、オーダーは飲み物から始まります。このときに水(Acqua)について、炭酸水(Frizzante)かナチュラルウォーター(Naturare)を選びます。イタリアでは、水とワインが基本的な飲み物の選択肢です。ワインを注文する場合、フルボトル(Bottiglia)を頼むのが一般的ですが、グラスワイン(Vino al Bicchiere)を頼むこともできます。

飲み物の注文

・Un’acqua frizzante/naturare, per favore.

(ウナックア フリッツァンテ/ナトゥラーレ、ペル ファヴォーレ)

「炭酸水/ナチュラルウォーターをお願いします。」

・Un vino rosso/bianco, per favore.

(ウン ヴィノ ロッソ/ビアンコ、ペル ファヴォーレ)

「赤/白ワインをお願いします。」

・Vorrei un bicchiere di vino.

(ヴォレイ ウン ビッキエレ ディ ヴィノ)

「グラスワインをお願いします。」

②食事のオーダー

飲み物の提供が終わったら、次に食事のオーダーに進みます。イタリアのレストランでは、食事のオーダーは伝統的な順序に従うことが一般的です。

前菜(Antipasto)、第一の皿=プリモ(Primo)、第二の皿=セコンド(Secondo)、そしてデザート(Dolce) の順で進めますが、全てをオーダーする必要はありません。食べたいものだけを注文して問題ありません。

・前菜(Antipasto)

食事の始まりを告げるコースです。軽くて食欲をそそる料理が多く、食事全体の雰囲気を作ります。

例:

・Prosciutto e Melone : 生ハムとメロン

・Affettati Misti:生ハム、サラミ、チーズなどの盛り合わせ

・Bruschetta:焼いたパンにトマト、オリーブオイル、ガーリックなどを乗せたもの

・プリモ(Primo)

主にパスタやリゾット、ニョッキなどの炭水化物料理が中心のコースです。通常はボリュームがありますが、セコンドとバランスを取るため、軽めのポーションで提供されることもあります。

例:

・Gnocchi al Pesto:バジルソースで和えたニョッキ(ジャガイモの団子)

・Spaghetti alla Carbonara:カルボナーラスパゲッティ

・Risotto ai Funghi:きのこを使ったリゾット

・セコンド(Secondo)

例:

・Bistecca alla Fiorentina:厚切りのTボーンステーキ

・Pollo alla Cacciatora:トマトソースで煮込んだ鶏肉の料理

・Branzino al Forno:オーブンで焼いたスズキの料理

・デザート(Dolce)

例:

・Tiramisù:ティラミス

・Panna Cotta:パンナコッタ

・Zabaglione:卵黄、砂糖、ワインで作った温かいデザート

デザートは通常、料理が全て終わった後にスタッフが尋ねてくれます。そのため、最初に注文する必要はありません。

食事の注文(前菜とプリモを頼む場合)

・Per cominciare prendo il prosciutto, poi vorrei il risotto alla milanese.

(ペル コミンチャーレ プレンド イル プロシュット、ポイ ヴォレイ イル リゾット アッラ ミラネーゼ)

「まずは生ハムを、次にミラノ風リゾットをお願いします。」

・Potrei avere un antipasto misto, e come primo, le lasagne, per favore?

(ポトレイ アヴェーレ ウン アンティパスト ミスト、ェ コメ プリモ、レ ラザニェ、ペル ファヴォーレ?)

「ミックス前菜を、そしてプリモにラザニアをお願いできますか?」

4食事中のマナー

①カラトリーの使い方

食事中はナイフを右手に、フォークを左手に持ち、食事を進めます。食事が終わった時には、ナイフとフォークを平行にしてお皿の右側に置きます。これが、スタッフに「食事が終わった」というサインになります。

もし、途中で休憩をしたい場合は、ナイフとフォークをクロスさせずにお皿の上に斜めに置くことで「まだ食事中」という意味を伝えます。

②パンの食べ方

食事で提供されるパンは、食事の進行に合わせて少しずつ食べるもので、バターをつけることはほとんどありません。パンはそのままの状態で食べたり、料理のソースを楽しむために使われることが多いです。

ただし、ソースをすくう際には、直接手でパンを持つのではなく、フォークを使ってパンをおさえ、ソースをすくうのが正式なマナーとされています。

パンは食事の進行に合わせて少しずつ食べるのが普通で、一口サイズにちぎってから口に運びます。このとき、パンを噛みついて食べるのではなく、必ずちぎって食べるのが望ましいです。

③パスタの食べ方

パスタを食べるときは、フォークだけを使うのがイタリアの基本的なマナーです。

フォークを使って少量のパスタを取り、フォークで巻きつけるようにして食べます。スプーンを使って巻きつけたり、ナイフでパスタを切ったりすることは避けるべきです。

また、すすって食べる音をたてるのもマナー違反とされています。

④食べ方のマナー

基本的に各自が自分の料理を楽しむことが前提です。日本のように料理をシェアすることはあまり一般的ではありません。

ただし、一口程度の味見であれば、イタリア人同士でもシェアすることがあります。

食べきれないときには、無理に完食する必要はありません。特にイタリア料理はボリュームがあることが多い為、食べ残しが発生することもあります。

ただし、残し過ぎると料理が気に入らなかったと誤解される可能性があるので、ほどほどにした方が良いかもしれません。食べられる量を見極めて、最初から注文しすぎないことが大切です。

イタリア人でも、セコンドが提供されたころにはお腹がいっぱいになり、食べきれないことがあります。そんな時はスタッフに持ち帰り用トレーを頼んで、残りを家に持ち帰ることができます。

私自身も、大量に余ったフライドポテトやグリル肉などを持ち帰った経験があります。

水やワインのおかわりが欲しい時

・Vorrei un’altra bottiglia d’acqua.

(ヴォレイ ウナルトラ ボッティッリャ ダックア)

「水をもう一本お願いします。」

・Potrei avere un altro bicchiere di vino?

(ポトレイ アヴェーレ ウン アルトロ ビッキエレ ディ ヴィノ?)

「ワインをもう一杯いただけますか?」

余った料理を持ち帰れるかどうかを聞くとき

・Posso portare via quello che è rimasto?

(ポッソ ポルターレ ヴィア クエッロ ケ ェ リマスト?)

「残った料理を持ち帰ることはできますか?」

・Vorrei portare via il cibo, avete un contenitore?

(ヴォレイ ポルターレ ヴィア イル チボ , アヴェーテ ウン コンテニトーレ?)

「料理を持ち帰りたいのですが、容器をいただけますか?」

5.食後の締めくくり

①ドルチェ(Dolce)

食事が終わると、スタッフがまずデザートを希望するか尋ねてきます。デザートを楽しみたい場合は、ティラミスやパンナコッタといったイタリアを代表する本場の味がおすすめです。

もしメニューがよくわからない、または決めかねている場合は、スタッフに質問すると良いでしょう。

②カッフェ(Caffè)

次にコーヒーを勧められます。イタリアでは、食後にエスプレッソを飲むのが一般的です。

エスプレッソは食後のリフレッシュとして理想的ですが、カプチーノは通常朝に飲むものと考えられているため、食後に注文するのは避けたほうがよいでしょう。

③食後酒(Digestivo)

甘いものやコーヒーが苦手な方には、食後酒やリモンチェッロで作ったアルコール入りのシャーベットを楽しむ選択肢があります。

リモンチェッロ、グラッパ、アマーロなどの食後酒は、食事の締めくくりにぴったりです。

特に、リモンチェッロのシャーベットは、さっぱりとした味わいで食後に最適です。デザートやコーヒーを飛ばして、食後酒だけを楽しむことができます。

無理にこれらを楽しむ必要はありません。お腹がいっぱいであれば、遠慮なく断って大丈夫です。

食事を心地よく締めくくることが何より大切なので、リラックスして過ごせるように好みに応じた選択をすることが一番です。

デザートやコーヒーが欲しい時

・Posso vedere il menu dei dolce?

(ポッソ ヴェデーレ イル メヌ デイ ドルチェ?)

「デザートメニューを見せていただけますか?」

・Vorrei un dolce, cosa mi consiglia?

(ヴォレイ ウンドルチェ , コザ ミ コンシッリャ?)

「デザートをいただきたいのですが、おすすめは何ですか?」

・Vorrei un espresso?

(ヴォレイ ウン エスプレッソ?)

「エスプレッソをお願いします。」

6.会計と退店時のマナー

会計

お会計は自分から頼むのが基本です。多くの場合、会計はレジで行われます。

イタリアでは基本的にチップを渡す必要はありません。

ほとんどのレストランでは、サービス料(Coperto)がすでに含まれているため、追加でチップを払う習慣はあまりありません。特別なサービスを受けた場合には、少額のチップを渡すこともあります。

お会計時

・Il conto, per favore.

(イル コント , ペル ファヴォーレ)

「お会計をお願いします。」

・Posso pagare con la carta di credito?

(ポッソ パガーレ コン ラ カルタ ディ クレディト?

「クレジットカードで支払えますか?」

退店

支払いが完了し、店外に出る準備が整ったら、退店時には必ずスタッフに挨拶しましょう。

声をかけることで良い印象を残し、次回も来店しやすくなります。イタリアでは、こうした小さな礼儀が大切にされています。

ありがとうの表現

・Grazie , arrivederci!

(グラッツィエ , アッリヴェデルチ!)

「ありがとう、さようなら!」

・Grazie mille, a presto!

(グラッツィエ ミッレ , ア プレスト!)

「どうもありがとう、また近いうちに!」

最後に

食事は、人々との交流、文化を楽しむ特別な時間です。基本的なマナーを覚えておけば、レストランでの体験がさらに豊かで楽しいものになるでしょう。

大切なのは、マナーにとらわれ過ぎず、リラックスして食事そのものを楽しむことです。

イタリアのレストランでのひとときを、素晴らしい思い出にしてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!





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